凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「菜乃さんに浮ついた話が出たのって、私が入社してから初めてですよね? どこのどいつなんですか?」

「ちょっと仲よくさせてもらっているだけで、そういうのではないんだよ」

「仲よく? 鉄壁の菜乃さんが?」

 訝しい表情を作った朱莉ちゃんが目を細める。下手に口を開いてボロが出たら困るので、口をキュッと結び頭をこくこくと縦に振った。

「まあ、そういうことにしておきましょうか」

 大人な対応をしてくれた朱莉ちゃんにホッと息をつく。

「もし上手くいったら、そのときは教えてくださいよ? 内緒は寂しいですからね?」

 口を尖らせて可愛く言われてはうなずくしかない。

「どうなるかわからないけど、報告するようなことができたら話をさせてね」

 それを聞いた朱莉ちゃんはにっこり笑って、トレーを自身の前に引き戻す。

「さて。お腹に詰め込むか」

 フードファイターみたいな意気込みを見せたが、目の前にあるのはささやかなうどん。

 改めて、飲みに付き合えないことに申し訳なさが募る。

「今日は難しいけど、明日なら空いてるよ」

「明日は美容院の予約を入れちゃったんです」

「そっか。じゃあ予定が合うのは来週になるか」

 互いのシフトを照らし合わせて、来週ふたりが早番のときに食事に行く約束をした。
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