凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「え!?」

「そうです。この子、新川菜乃です。私は姉の日菜香です」

 聞かれてもいないのに勝手に自己紹介までした姉が、目を輝かせて椎名さんを見つめている。

 私としては、天下の椎名さんになんて気安く話しかけてるの!? と気が気でない。

「お姉さんですか。初めまして、椎名虹輝です」

 椎名さんは当たり障りのない表情で姉の不躾な自己紹介に応じる。そのスマートな対応に胸が高鳴るのを感じて、「まいった……」と心の中で頭を抱えた。

 姉が暴走する前に止めたいのだが、憧れの人を前にして激しく動揺して声が出ない。

「菜乃さんと同じ空港で働いております」

 椎名さんのイケボで名前を呼ばれてめまいがした。というか、私の名前と顔をどうして知っているの?
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