凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 椎名さんのように航空大学へ通ってライセンスの八割を収得している人も、自社養成パイロットとしてNAL入社後に全ライセンスを収得する人でも、どちらも変わらず最初に基幹空港へ配属される。

 整備、営業、グランドスタッフなどの地上勤務の研修期間があるのだ。

 まだパイロット候補生の知り合いなら何人もいるのはそのせいなのだが、すでに機長になっている椎名さんとは関わりがない。

 数多くいるスタッフを把握している? 頭のいい彼ならあり得なくはないか……。

「もしかしてパイロット、とか?」

「ご名答です」

 椎名さんがこくり、とうなずくと、姉は目ん玉が飛び出しそうなくらい見開いて、ぐるんっと効果音がつきそうな勢いで私に顔を向ける。

「菜乃!? パイロットと知り合いなの!?」

「ちょっと日菜香ちゃん落ち着いて。声が大きいよ」

 どうどう、と宥めようにも酔っ払いの姉には効果がない。
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