凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
 ニューヨーク発羽田着のフライト便は十八時三十分の到着予定だった。今は十九時を過ぎたところなので、ブリーフィングを終えたばかりのはず。

「よかった、会えて」

 急いでここまで来たのか珍しく呼吸を乱している。上下する肩には機長の証である四本のライン。

 私服姿はもちろんカッコいいけれど、パイロットの制服を着ているときはカッコいいというより神々しい。この姿を前にすると自然と身が引き締まる。

「心配かけたよな?」

 喉になにかがつっかえていて声にならず、奥歯を噛みしめて大きくうなずいた。

「悪かった。スマホが壊れて使えなくなったんだ」

 やっぱりそうだったんだ。理由がハッキリして幾分気持ちが落ち着く。

「菜乃、今日仕事が終わったらうちに来ないか?」

「十一時過ぎますよ?」

「菜乃が構わないなら会いたい」

 ああ、もうっ、今すぐにでも抱きつきたい。

 身体の奥から込み上げる想いを抑えつけて首を縦に振る。

「私も一緒にいたいです」

「よかった。俺はひとまず新しいスマホを購入してくるよ。使用できるようになったらすぐ連絡を入れるから」

「はい」と短く返事をすると、虹輝さんは私の頬を指でするりと撫でた。

「続きはまたあとで」

 甘く囁いて、直立不動になっている私に背を向け来た道を戻っていく。見えなくなるまで見送りたかったが、休憩時間が終わる頃なので私もくるりと方向を変えて持ち場へ急いだ。

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