凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「え、あ、こ……こんばんは」

 激しく動揺しながらも返事をする。椎名さんは私の横に移動してプールに目を向けた。綺麗な横顔を見ていられなくて私も顔を前に戻す。

 いないと思っていたのに……タイミング悪くトイレに行っていたのかな。

「お姉さんは?」

「酔い潰れて部屋で寝ています」

 正直に伝えると、隣からクスクスと楽しげな声がした。遠目から微笑んでいるのは目にしたことはあっても、笑い声は初めて聞いたので胸がドキドキと鳴る。

「あの、先ほどは失礼しました。初対面なのにアレコレ質問されて困りましたよね」

「気にしてないよ」

 噂で聞く椎名さんは、真面目で硬派で紳士的な人。だから気を遣われているのはわかったし、そう答える以外にないのもわかる。

 椎名さんって若く見えるけれど、私より六歳も上なんだよね。落ち着きがあって大人だ。
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