凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「もうそろそろ恋愛解禁してもいいんじゃない? 椎名さんだって、菜乃に合う人と付き合えば、菜乃が心配しているようなことも起きないって言ってくれたんでしょ?」

 昨晩彼にもらった温かい言葉を思い出す。

 姉は身内だし、どんなに味方をされてもそれは私が妹だから気を遣っている、という考えが拭いきれなかった。

 だけど椎名さんは赤の他人。そんな彼から発せられた台詞には信憑性があり、本当に自分だけがおかしいのではないと思わせた。

「……そうだよね。頑なに拒むのは控えようかな。でも、今は恋愛をする必要性がないから」

 私の前半の言葉でぱあっと明るくなった姉の表情は、後半でうんざりした顔になった。

「せっかく頑張ってコミュ障治したのに」

「そのおかげで同僚とは仲よくできているし、お客様への接客もバッチリだよ」

 満面の笑みで返せば、姉は梅干しでも食べたかのような酸っぱい顔をしてコーヒーを啜った。

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