凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「こんにちは。ふたりで来てるの?」

 爽やかさの中に少しワイルドさを感じる男性が、私たちの足元にすっとしゃがんで尋ねてきた。

「そうですけど」

 姉が困惑しながらも答える。

「へえ、そうなんだ。よかったら俺らと一緒に遊ばない? 水鉄砲とか持ってきてるんだ」

 彼はそう言って背後に立つ男性ふたりを見やる。わりと本格的な水鉄砲を持ったふたりが愉快気に笑った。

「私たち、このあとエステの……」

「ここにはふたりで来ているんですけど、家では夫が待っているんです。私たち結婚しているので」

 律儀に対応しようとする姉の言葉を遮った。

 姉は根っからのお人好しで優しい人間なので、こういうのを軽くあしらったりできない。

「え、そうなの? 若くて可愛いし、そんなふうには見えないね」

「それはどうも」

 ひと言だけ返して愛想笑いを浮かべるとぎこちない空気が流れる。これ以上話すことはないという意思が伝わったのだと思う。

「なんか、ごめんね。じゃあ……行こうか」

 しゃがんでいた男性が立ち上がったのを合図に、三人はぞろぞろと動き出し去っていった。
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