凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
「どうしたの?」

 窓際の椅子で同じくスマートフォンを弄っていた姉が目を丸くしている。

「椎名さんが空港から家まで送ってくれるって」

「なにそれ! どういうこと!」

 飛び跳ねるように椅子から立ち上がった姉が、ベッドの隅に腰かけている私のところまで向かっている途中だった。突然電話がかかってきて心臓が止まりそうなほど驚く。

「どうしよう。椎名さんから電話」

「早く出なよ!」

 姉に気圧されてすぐに通話ボタンを押す。

「もしもし……?」

『新川さん? 俺、椎名だけど』

「はい」

 これは平常心ではいられない。耳元で囁かれているような状況に、声フェチの私がまともでいられるはずがない。

『すまない。時間がなくて、すぐに返事がほしい』

「え? え、ええっと……十八時三十五分発、二十一時五分着予定です。手荷物は預けません」

 時間がないと言われてこちらも焦って答える。
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