凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました～臆病な彼女を溶かす溺愛初夜～
　沖縄で生まれ那覇市で生活していた私は、両親の離婚後母親に引き取られ東京に移り住んだ。

　ふたつ上の姉、日菜香(ひなか)は父親に引き取られ、今も沖縄で父親と、父親の母親である祖母と三人で暮らしている。

　姉は父親の連れ子で私とは異母姉妹。だからそれぞれに引き取られたのは大人になった今では理解できる。

　だが当時はどうして姉と引き離されたのか分からず、情緒不安定になって母親にずっとあたり散らしていた。

　反抗的な態度をたくさんとって、母親には申し訳ない気持ちは今も昔もある。だけどやはり姉妹を引き離すなんて、そんな悲しい選択を下した両親に思うところがあった。

　物思いに耽っていたら、タクシーは宿泊先のホテルに到着していた。

　チェックインを済ませて部屋に荷物を置き、足早にとある場所へ向かう。

　屋外のプールサイドに設置されているテーブル席に姉の姿はあった。

「日菜香ちゃん」

　手を振りながら大きな声で大好きな姉の名前を呼ぶと、穏やかでやわらかな笑みを浮かべた姉が私の姿をとらえる。

「菜乃！」

　白い歯を見せ満面の笑みでこちらに手を振り返した姉に、駆け足で近寄った。
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