凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
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 エステを受けて、ホテルの敷地内で写真映えスポットを散策し、空港で母親へのお土産を購入して姉と別れた。

 小さかった頃とは違い、もう自分の意思で姉に会える。

 だから寂しさは感じなくなったといっても、最後の最後で『椎名さんとどうなったのか、明日電話で聞くからよろしく』と言われ、もっと他に掛ける言葉があるだろうと苦笑した。

 帰りの便は疲れが出たのか、機体が離陸後すぐに深い眠りにつき、目を覚ましたのは飛行機が着陸態勢に入った頃だった。

 大きな揺れがあり、そういえば東京の天候は明日にかけて下り坂になるのだったと思い出す。

 風速が強いのか、飛行機は高度を下げたあともう一度上昇する動きを見せた。

 風にあおられてうまく地面へ接地できないと判断したのだろう。それから少しして、ドシンッと激しい振動と共に機体がハードランディングした。
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