青に抱かれて
「……なにか食べよ」
時差ボケであまり食欲はないし、疲れているせいかガッツリ肉系は食べたくない。
サンドイッチとか果物をスーパーで買って食べればいいや。
そう思って、小さなポシェットに財布だけ突っ込んで、部屋を後にした。
* * * *
微かに潮の香りを孕む風が吹き抜ける。
ーー少し、頭痛いなぁ。スーパーに痛み止めあるかな……
地図を見れば、スーパーまでの距離は徒歩10分。
だけど、ショートカットして7分で行ける近道を見つけ、大通りを外れて、狭い路地裏へ入る。
一気に人の気配がなくなった。
ーーふと、先の方で、たむろっている数人の男たちが目に入って、「げっ」と顔をしかめそうになった。
ガラの悪そうな、不良のような、印象がとにかく悪い彼らは、私の姿を見るなり、ニタニタとしていて。
ーーこれは、…ちょっと危険かも…
回れ右をして引き返すのもあからさまだけど、彼らの横を通り抜ける勇気はない。
「ーーBuon giorno(ボンジョルノ)、お嬢さん」
20代後半くらいの彼らのうちの一人から挨拶をされて、困ったように曖昧な笑みを浮かべる。