LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
女だから、高校を出たら就職しろと母親にはずっと言われていた。


今思うと、それは成績の良かった私に対する嫌がらせの一つだったのだろう。


私はそれから半年がかりで母親を説得して、学費の安い国立ならば大学に行ってもいいと許しを得た。


その代わり、就職したら毎月10万返せと、約束させられた。


大学に入ると、近所の缶詰め工場でアルバイトを始めた。


高校の時は門限が17時でそれを許されなかったけど、
通う大学がそれなりに距離があり、
その為、高額となる電車の定期代を自分で稼げと、アルバイトを許可された。

そして、そのアルバイト代で、スマホを持てるようになった。


大学時代は、勉強もそうだけど、
通学にけっこう時間が掛かり、アルバイトも忙しくて、
特に遊んだ記憶がない。


可奈という親友が出来た私だけど、
人見知りもそうだけど、
基本暗くて、どこに行っても目立つ事はなくて、
大学でもアルバイト先でも、特別仲良しな子は出来なかった。


可奈は大学へは進まず、高校卒業後地元を離れて看護学校へと通い出していて、
その頃は滅多に会えなくなっていた。


時々、電話で話したりするけど、
会う事は、年に一度程になっていた。


それでも、可奈との関係は、就職してからの今も、続いている。


そして、子供の時程の母親の私に対する歪んだ執着も、幾分マシになって来ているのか。


特に、持っているスマホをチェックされるとかもなかった。


まあ、私に友達等が居ないと思っていたからかもしれないけど。


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