LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
休み明けの月曜日。


少し、複雑な気分で川邊専務とは顔を合わせる。


斗希から昔の事を聞いたからか、
以前にも増して、川邊専務に対して後ろめたいような気持ちを抱いてしまう。


斗希と川邊専務のお姉さんである円さんとの関係をこの人は知らないし、
その他色々、川邊専務に対して裏切りとも言えるような斗希の言葉を、
私は聞いたから。


共犯者のような、気持ち。


「頼まれていた、マリトイトイ社長山本公一(やまもとこういち)氏の経歴等をまとめた資料を、お持ち致しました。
お目通しお願いします」


そのマリトイトイは、K県中心に数店舗展開している、おもちゃ屋。


今日の午後、川邊専務はその社長の山本公一氏と、相手方の社内で会談がある。


「ん?ああ」


執務机に置いたその資料に、川邊専務は早速目を通している。


「あの…川邊専務。
川邊専務から見て、斗希ってどんな人ですか?
前に変な奴だとは聞きましたけど、それ以外には」


業務中に、秘書の私からこうやって仕事に関係のない事を、専務に話し掛けるなんて。


言ってしまった後、何をしているのか、と自分を叱責してしまう。


川邊専務は、その資料から私に視線を向けた。


元々目付きの悪い人だと分かっていても、睨まれているような気持ちになって、怯んでしまう。


「斗希と寝たのか?」


ストレートなその言葉が、私と斗希の関係を、この人に全て知られているような気がした。


実際、この人の言うように、私は斗希と体の関係を持った。


土曜の夜、日曜の朝、日曜の夜。


そして、今朝である、月曜の朝。


既に、4度斗希に抱かれた。


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