LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「斗希の両親にああ言ってくれたのは、私のお腹の子供がもしかしたら本当に斗希の子供じゃないかもしれないからよね?」


外に出ると、たまらずそう言っていた。



「…俺の子供じゃなくても、俺の子供だから。
第三者に、とやかく言われたくない」


もし、斗希の両親が、私のお腹の子供が斗希の子供じゃないと分かったら。


彼らだけで何かを思うのではなく、
斗希に対しても何かを言うかもしれない。


お前の子供じゃないから、離婚しろ、とか。

それだけならまだしも、この子本人にも、知られるかもしれない。


私は、まだ膨らんでいないそのお腹に手を当てる。


守らないと。


斗希と二人で、この子を。


「あそこ迄言っておいたら、父親が生まれた子に余計な事はしないと思う」


「…うん」


でも、今回の事で、表面上だけでも上手くやっていた、斗希と両親の関係が壊れたかもしれない。


いや、この人達は表面上仲良くする事が得意な家族だから、それは大丈夫か。


「もし、結衣があまり俺の両親に関わりたくないなら、もう会わせないようにするから」


「ううん。大丈夫」


斗希の手を、そっと握った。


斗希さえ居てくれたら、大丈夫。


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