私は1人じゃない




服に興味がない蓮は、プレゼントされた服しか着てなくて全く買っていなかった。



だけど冬服がなくて流石に買わないといけないから付き合って欲しいとのこと。



「これはどう?」
「あーいいかもな」


「これは?」
「これもいいかもな」


「ちゃんと選んでる?」
「なんでもいいから選んで買って」


「蓮が服着るんだからちゃんと選んで」
「欲しい服とかないんだよな、着れればいいし」



適当すぎる!


と言ってもどんな服でも似合うから私もなんでもいいと思ってしまう。


結局パーカーとコートとズボンを買って、買い物は30分で終わってしまった。



「なんか欲しいものある?」
「ない」


「付き合ってくれたから何かプレゼントする」
「いいよこれくらい、それに部屋に泊まっていいの?」


「あぁ、和藤と一緒に泊まるより何十倍もいい、それにずっと一緒にいて欲しいしな」


蓮……


蓮の気持ちは十分に私に伝わった。


でも今の私には和藤先生を忘れるのに精一杯。


それにもう恋なんかしたくない…なんて思ってしまう。


「蓮、お腹すいた、何か食べよ」
「そうだな」
< 273 / 315 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop