木沢彰吾、禁煙を決意する 『恋に異例はつきもので』おまけSSその1
 だが、あせりまくりの発表とは裏腹に、熱のこもった花梨の話の内容にはうなずけることが多かった。

 社会貢献としての企業の在り方を示した花梨の主張は、俺の胸にまっすぐ届いた。

 俺自身も、ちょうど近々独立して、社会のひずみを少しでも埋めることができるような仕事をしたいと考えていたところだったから。

 こいつを俺の下で鍛えたい。

 花梨のプレゼンが終わるころには、どうやってこいつを俺の部に異動させるか。
 そのことばかり考えていた。

 そして晴れて異動がかなってからは、どうやって自分のものにするか。
 そのことばかり考えていた。
< 7 / 14 >

この作品をシェア

pagetop