8月25日(前編)
無我夢中で来た道を走る。

大丈夫、きっと逃げきれる!

だってわたしは唯一、足だけには自信がある。


だけど、震える足は何度ももつれて転けそうになる。

やっとの思いで駅前まで来ると、スマホを耳に当てた姿の水樹くんが。


その水樹くんの姿が見えた瞬間、安心からの涙が溢れ出した。


そのまま一直線に水樹くんの元まで走り、勢いよく抱きついた。

「っ!?…紗良ちゃん?」

あまりにも勢いがよかったせいか、バランスを崩しかけた水樹くん。


「いたいた!って…は?男持ち?」

遅れて追いかけてきた男子の声にドキッとする。


「何?この子に何か用?」

そう言った水樹くんの声はいつもより低くて驚いてしまう。


「ッチ。行こうぜ」
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