鬼は妻を狂おしく愛す
【恥ずかしいから、言いたくない】
「お願い!教えて!?
アイツが知ってて、俺が知らないなんてあり得ない!」
狼狽えたように、雅空は美来の肩を持ち揺らした。

【痛い!やめて!】
「教えないと、ここで犯すよ?」
その言葉に、美来は怯えだす。
【雅空、怖い】
「だったら教えて!早く!」
【抱っこ】
「抱っこ?」
【抱っこされて、キスしてもらうのが好き】
美来は震える手で、必死に伝えた。

風呂から上がり、寝室に移動しようとする二人。
雅空が美来を抱き上げた。
「抱っこって、これのこと?」
お姫様抱っこして、美来に聞く雅空。
頭を横に振る、美来。
「じゃあ…どんなの?」

美来はスマホを操作して、画像を調べ雅空に見せた。
それを後ろから抱き締め、確認した雅空。
「わかった!じゃあ、おいで?」
と両手を広げた。

【でも、重いだろうし】
「気にしないよ?てか、美来は軽いよ!いつもお姫様抱っこはしてるでしょ?」

美来はとにかく怖かった。

雅空の目が、雰囲気が、真っ直ぐ見つめる視線が………

ゆっくり雅空の腕の中に向かった。
そして美来の尻の下の辺りを持って軽々抱き上げた。
「フフ…やっぱ、軽い!」
「……//////!!!!」
もうこれだけで、美来の顔は真っ赤だ。

「キス、しよ?」
美来は頷くと、雅空の頬に手を添えて口唇を重ねた。
口唇を離すと、雅空はニコッと笑って“もう一回”
と言った。
再度同じようにキスをすると、また雅空が“もう一回”と言って、何度も口唇を重ねたのだった。

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