鬼は妻を狂おしく愛す
「人殺しが何言ってんだよ…!?」

「言ったよな……?
美来は俺だけの妻だと。
お前の頭から、美来の存在を消せと」
「うるせー!!
美来は、元々俺のモノだ!!」
「そんなの関係ねぇ……
俺の幸せの為に、美来が必要なんだから」

「だったら、俺も、お前のとこまで成り下がってやる!!」
謙吾は引き出しからナイフを取り出した。

「フッ……!!
殺れるんなら、殺れば?」
謙吾は、手が震えていた。
「手、震えてるよ?
それじゃ…殺れないよ!?
ほらっ!!
ここだよ!首!!
殺れ!!!」
雅空は自身の首を謙吾に見せて挑発する。

「うるせー!殺ってやるよ!?」
そして謙吾はナイフを振り上げた。

そして━━━━━━━
ザッ━━━━!!と切る音がして、ブシュュューー!!と血が物凄い勢いで首から吹き出た。





パタンの倒れたのは“謙吾”だった━━━━━



美来は、残酷な衝撃にその場で倒れ、気絶した。




倒れた謙吾のポケットに、一枚の紙が入っていた。

そこには━━━━━━

“美来へ
俺は、別れた後もずっと美来だけを想ってたよ。
お前の旦那の言う通り、俺の頭の中からお前の存在を消してやるから、その代わりお前の頭の中に俺の存在を焼きつけさせて!!
旦那に言っといて!
これが、本当の俺からの復讐だって!!
謙吾”


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