鬼は妻を狂おしく愛す
「美来」
頭を横に振る、美来。

「まさか、俺から離れないよな!?」
怯えた目で雅空を見つめ、尚も頭を横に振る。

「放さないからな」
「………」
「俺は、美来がいないと生きていけないんだから」
「………」
「幸せになれないんだから」
「………」
「ほらっ!いつもみたいにその可愛い手を動かして“雅空、愛してる”って伝えてきてよ!」
頭を振りながら、涙が溢れてくる美来。

「そっか。
じゃあ……監禁だね。
もう二度と、ここから外に出さないよ。
俺以外誰にも会わせずに、誰の目にも触れさせない」


【違うの!!!】
「え……!?」

【雅空のこと、最低だって思う】
「うん」

【逃げたいって思うこともあったよ】
「うん」

【でも、離れない】
「うん」

【愛してるの!
私だって、雅空がいないと生きていけないの】
「うん」

【だから】
「ん?」

【放さないで】

雅空に力強く抱き締められた美来。
雅空の服を握りしめた。



私の主人は、穏やかで優しい。
そして、愛が重たくて嫉妬深く、怖い。

冷酷で最低な人間だ。

それでも私は、彼と一緒にいたい━━━


だって、お互いに生きていけないのだから━━━━







< 40 / 40 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:42

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活

総文字数/140,000

恋愛(純愛)139ページ

表紙を見る
冷酷・楠木副社長。妻にだけは敵わない

総文字数/62,670

恋愛(純愛)62ページ

表紙を見る
運命の恋を、君と…

総文字数/61,042

恋愛(純愛)61ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop