天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~

「佐知の実家はなおさらよね」

「嫌だな。きっと唯子のこと聞いたらお母さんから電話かかってくるだろうな」
大きなため息を抑えることができず、食べる手を止めた。
私の家は至って普通に育ちはしたが、昔からの旧家ということもあり、両親は根っからの古い人間だ。

大学で東京に出たいといったときは、泣いて反対された。しかし私はどうしても地元から出たかったため、東京の大学しか受けず半ば強引にこっちへ来た。
だから両親は心配で仕方がないのだ。愛情故と思いたいが言っていることは支離滅裂だ。

「大学に入ったころは、”不順異性交遊はいけません”と言っていたのに、今は結婚しなさいって無茶苦茶じゃない? どうやって相手を見つければいいのよ」
つい零れた愚痴にも、舞子は苦笑しつつ同意してくれる。
< 13 / 191 >

この作品をシェア

pagetop