天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「本当よね。大学時代は私にまで佐知に彼氏ができていないか確認の電話があったな」
学生の時は清く正しくして、社会に出たらそれなりの人と結婚しろと言われても、一年働くことで一生懸命なうえに、目の前には冷徹な上司しかいなかったのだ。
もちろんたまに社内で話をする男性社員はいるも、すぐにお付き合いはもちろん、結婚などに発展するわけがない。
「大学時代彼氏に憧れて付き合ったけど、すぐにお父さんの顔が浮かんじゃって別れたし」
淡い恋を思い出しながらグラスに手を伸ばす。なぜか悪いことをしている気がしてしまい、すぐに自然消滅をしてしまった。
だから私の恋愛経験値はゼロに近い。それなのに地元の子たちが結婚をしだせば、すぐにいいお見合いがあると、事あるごとに電話をかけてくる。
「あー、お願いだからみんな結婚しないで欲しい」
つい本音が漏れて目の前のアルコールが進む。