天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~

「あの、それはどういう意味ですか?」
やはりそれには答えてくれなくて、段々と苛立ちがこみ上げてくる。

「あの、上司ですが言わせて頂きます。きちんと的確に報告しろ、きちんと答えろといつも私に言っていますよね。それはそれはものすごく冷たい視線で。それなのにどうして何も答えてくれないんですか?!」
最後はもうやけくそで言えば、彼は少し考えるような表情を浮かべた。

「さあ?」

「はあ?」

もはや話にならない。完璧な人がエラーでも起こしているのだろうか?

ポカンとしていると、なぜか部長が少しだけ楽しそうに見えてしまった。
驚いて彼を見ていると、どこからか私のスマホが音を立てる。
それはベッドサイドに置かれていて、私は手を伸ばしてディスプレイに視線を落とす。
案の定昨日心配していた通り、地元の母からで私は大きなため息が漏れる。
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