天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~

「どうしてかは俺にもわからない。気まぐれかもしれないし、魔が差したのか……」

「そんなの酔っ払いの戯言だといつも通りバッサリと切り捨ててくれればよかったのに」
最後の方は呟くようになってしまっが、構わず部長は言葉を続ける。

「いいだろ? 俺がただそうしたかった。だから婚姻届けを書いて迫ってきたお前に付き合った」

「え? 私が婚姻届を?」
どこからそんなものが出てきたのだろう。誰が持っていたというのだ。
私の疑問がわかったようで、部長は淡々と答えを口にする。

「確かカップルがいて結婚情報誌に付いていたのをもらっていたな。それを書いて俺にも書けって」
もはや脱力するしかなかった。確かに昨日は両親のことが憂鬱で飲みすぎたのは事実だが、まさか自分がこんなことをするなんて。

それもこの冷徹上司に。しかし、被害者は完全に部長だ。
全てを引き起こしたのはどこの誰でもなく、私なのだから。

「今日から夫婦だ、でも一つだけ条件がある」
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