天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
パタパタと急いで走って行き「おかえりなさい」と笑顔を向ければ、ポカンとした龍一郎さんがいた。
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもない」
少し戸惑ったように言った龍一郎さんに、私は少し不安になる。
「すみません。余計なことでしたか?」
しゅんとすれば、初めて龍一郎さんが慌てて否定する。
「違う。今まで一緒に帰ってきていたからこうして出迎えてもらったことないだろ?」
言っている意味が解らず、とりあえず話の続きを待てば、小さく息を吐きながら彼は私を真っすぐにみた。
「こうやって誰かが笑顔で迎えてくれることに慣れてないだけだから」
そう言ってくれた龍一郎さんの言葉に安堵して笑顔を向ければ、ポンと頭に触れられたと思えば、柔らかく頬にキスをされる。
「ただいま」
え? 一瞬何がおきたかわからずフリーズしたあと、いきなりのスキンシップに私は驚いて彼を見た。