天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「笑えばいいだろ? 俺だってこんな感情よくわからないんだよ」
そう言ってくれた言葉がとてもうれしくて、私はつい意地悪が口をつく。
「私が誰と来ていたら嫌なんですか?」
無理やり始まった結婚だが、少しでも私に興味を持ってくれているということだろうか?
「ああ、もういい」
そう言って歩き出してしまった龍一郎さんの腕に、思い切って自分の腕を絡める。
その行為に龍一郎さんが目を見開いて驚いたのがわかった。
「舞子と来たんです。昔に一度だけ。だから今日、龍一郎さんと来れて嬉しいんですよ」
言葉にするととても恥ずかしいことを言っているとはわかっているが、龍一郎さんには素直な気持ちで接したい。
「そうか」
言葉はぶっきらぼうだが、私が絡めた腕を外すとぎゅっと手をつないでくれる。