なぜ婚約者なのか説明書の提出を求む
ドアをノックする音。
「はい」
坂元伊織秘書だ。
「和泉さん。そろそろ良いかな? 秘書課に行ける?」
「はい。お願いします」
「じゃあ、専務。一人で寂しいと思うけど、和泉さん借りるから」
「ああ」
専務室を出てフロアの端に秘書課があった。ドアを坂元秘書が開けて
「ちょっといいかな? 紹介するよ。きょうから専務専属秘書として来て貰う和泉さんです」
「和泉茉帆と言います。宜しくお願い致します」
笑顔とお辞儀の角度もこれで良いと思うけど……。
「専属ですか?」
女性の声……。
「ああ、そうだ。だからここに顔を出す事もあまりないと思う」
「また美人秘書が就いたんだね」
「目の保養もしたいから偶には来て欲しいな」
男性の声……。
「いえ。こちらの皆さんお綺麗な方ばかりで、私など必要ないかと思いますが」
「じゃあ、そういう事だから。宜しく。和泉さん行こうか?」
「はい。それでは失礼致します」
秘書課を後にした。
廊下を歩きながら
「どうだった? 家の秘書課」
「はい。若干名の女性の視線を感じましたが……」
「まあ、専務はモテるからね。でも玲於奈は女性関係は、何処を叩いても埃も塵ひとつ出て来ないから安心して良いよ」
「高校からのお付き合いだそうですね?」
「そう。玲於奈にスカウトされて今専務秘書としてここに居る」
「高校大学時代の玲於奈さんのお話も聴いてみたいです」
「そう? また教えるよ」
眼鏡の奥の瞳が優しく微笑んだ。
坂元秘書もイケメンだと思う。
「はい」
坂元伊織秘書だ。
「和泉さん。そろそろ良いかな? 秘書課に行ける?」
「はい。お願いします」
「じゃあ、専務。一人で寂しいと思うけど、和泉さん借りるから」
「ああ」
専務室を出てフロアの端に秘書課があった。ドアを坂元秘書が開けて
「ちょっといいかな? 紹介するよ。きょうから専務専属秘書として来て貰う和泉さんです」
「和泉茉帆と言います。宜しくお願い致します」
笑顔とお辞儀の角度もこれで良いと思うけど……。
「専属ですか?」
女性の声……。
「ああ、そうだ。だからここに顔を出す事もあまりないと思う」
「また美人秘書が就いたんだね」
「目の保養もしたいから偶には来て欲しいな」
男性の声……。
「いえ。こちらの皆さんお綺麗な方ばかりで、私など必要ないかと思いますが」
「じゃあ、そういう事だから。宜しく。和泉さん行こうか?」
「はい。それでは失礼致します」
秘書課を後にした。
廊下を歩きながら
「どうだった? 家の秘書課」
「はい。若干名の女性の視線を感じましたが……」
「まあ、専務はモテるからね。でも玲於奈は女性関係は、何処を叩いても埃も塵ひとつ出て来ないから安心して良いよ」
「高校からのお付き合いだそうですね?」
「そう。玲於奈にスカウトされて今専務秘書としてここに居る」
「高校大学時代の玲於奈さんのお話も聴いてみたいです」
「そう? また教えるよ」
眼鏡の奥の瞳が優しく微笑んだ。
坂元秘書もイケメンだと思う。