なぜ婚約者なのか説明書の提出を求む
漏洩
その後、達川常務を土曜日の休みの会社に呼び出した。
父と仲田専務、玲於奈さんと私で常務を待つ。
「土曜日に何の用だ?」
不機嫌そうな達川常務。
「話があるから来て貰った」
父が言う。
「何か言う事はないのか?」
いつも温和な仲田専務の声が険しい。
「何が言いたいんだ?」
あくまでしらを切る達川常務。
「達川さん、あなただったんですね?」
「な、何が……」
「父と仲田専務とあなたとで作り上げた新しい医療機器の設計図を松田製作所に持ち込んだのは」
「何の事だ? 俺は関係ない」
「松田製作所の副社長は私の幼馴染です。あなたが持ち込んで、おかしいと思ったそうです。松田社長にどんな条件を要求したんですか?」
「…………」
「お金ですか? それとも地位ですか?」
「ああ。そうだよ。一億の金と副社長として迎えてくれと持ち掛けた」
「今まで、皆んなで一緒に頑張って来たのではないんですか?」
「金が必要だったんだよ」
「何に使うお金ですか?」
「息子の学費と……」
「奥さまへの慰謝料ですよね?」
「…………」
父と仲田専務、玲於奈さんと私で常務を待つ。
「土曜日に何の用だ?」
不機嫌そうな達川常務。
「話があるから来て貰った」
父が言う。
「何か言う事はないのか?」
いつも温和な仲田専務の声が険しい。
「何が言いたいんだ?」
あくまでしらを切る達川常務。
「達川さん、あなただったんですね?」
「な、何が……」
「父と仲田専務とあなたとで作り上げた新しい医療機器の設計図を松田製作所に持ち込んだのは」
「何の事だ? 俺は関係ない」
「松田製作所の副社長は私の幼馴染です。あなたが持ち込んで、おかしいと思ったそうです。松田社長にどんな条件を要求したんですか?」
「…………」
「お金ですか? それとも地位ですか?」
「ああ。そうだよ。一億の金と副社長として迎えてくれと持ち掛けた」
「今まで、皆んなで一緒に頑張って来たのではないんですか?」
「金が必要だったんだよ」
「何に使うお金ですか?」
「息子の学費と……」
「奥さまへの慰謝料ですよね?」
「…………」