仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
「ユーリス!浮気しているというのは本当か!?」
「はあ?」
せかせかと仕事をしているユーリスの許にフローラと共に乗り込んだ皇帝は怒りも顕わに詰め寄った。
しかし当のユーリスは何のことだと言わんばかりに眉根を寄せ皇帝を睨む。
「最近フローラによそよそしい上に帰りが遅いそうじゃないか。いったい何をしているんだ!妻が心配してるというのにそれに気づかないなど夫失格だぞ?」
「え?フローラ……」
ユーリスは驚いて皇帝の後ろで身を縮こませていたフローラを見遣る。
不安な顔を見て思い当たるフシのあるユーリスはバツの悪そうな顔をした。
それを見てフローラは息を吞み、皇帝は愕然とした。
「まさか、本当に浮気を……」
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