仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
「もう、あの子たちったら。ごめんなさいユーリスさま。悪ふざけが過ぎましたね」
「いや、怖がられるなど大したことではないよ。今日はハロウィンだし」
「そんなこと言って、ショックだったくせに」
図星を突かれてユーリスは一瞬言葉に詰まった。
やはりわが子に怖がられるのは本気でなくてもダメージは大きかったらしい。
「……でも、フローラが庇ってくれた」
「もちろんです。ユーリスさまを傷つけることはたとえ我が子でも許しません」
「ふふっ、頼もしいな」
毅然と言い切るフローラを抱き寄せ、ユーリスは幸せを噛み締める。
ふたりの子を儲けてフローラは母としてより美しく強く逞しくなった。
母としての魅力を兼ね備えたフローラにユーリスの愛は変わらず、いや、増々フローラへの愛は深まり愛しさは無限に湧き上がる。
「愛しているフローラ、私の女神」
「ユーリスさま、私も……」
ユーリスはフローラに愛をこめてそっとキスをした。

「うふふ、ラブラブ~」
「らぶらぶ~」
あっという間に宝物を見つけてきた子供たちはドアからこっそりキスをする両親を見て嬉しそうにほほ笑むのであった。

Happy Halloween!!
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