地味同盟~かぐや姫はイケメン達から逃れたい~
「あ、警察ですか!? あのっ友達がガラの悪い人たちに絡まれていて! はい! 場所は――」

 そのガラの悪い人たちがあたしの方を見る。


 これが夜だったりすればあたしも巻き込まれたり、もっと悪化することもあるけど。

 でも今は昼間だ。

 周囲の視線もあるから派手なケンカなどは出来ないだろう。


「っち! 行くぞ」

 思った通り、彼らは逃げるようにこの場を去って行く。


「ごめんねしのぶ。もっと早く来れば良かったね」

 あたしもしのぶの近くに行って謝った。


「良いよ、助けてもらっちゃったし。むしろあたしがありがとうって言うところでしょう?」

 明るく言うしのぶに、やっぱり怖がってはいなかったみたいだと思う。


「でも怖くなかったのか? 結構強気で言い返してたけど……」

 奏も同じ疑問を持ったのか質問していた。


「まあ、学校でもすぐ近くに不良君がいるからねぇ」

「ああ……」

 久保くんのことね、とあたしは納得する。


「それに、多分あいつら南校の不良だし」

「南校?」

 今度は奏が聞き返した。


「うん。名前の通りこの辺りの南の方にある学校なんだけれど、あそこにはある意味本物の“暴走族”がいるんだ」

「本物の?」

 意味が分からなくてまた聞き返す。
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