望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~


やってしまった。全く抱く気などなかったのに。
幸せそうに眠る柚葉さんの頬にかかった髪を耳に掛ければ、くすぐったそうに身をよじる。
そして、肩までかかっていたシーツが落ち、真っ白できれいな肌が現れ、俺は慌ててまたそれを柚葉さんに掛けた。
これ以上見ていれば、もう一度抱きたくなってしまう。

こんなに誰かに固執することも、嫉妬することも知らなかった。そうは思うも思い起こせばずっと彼女を見ていたかもしれない。
誰にでも公平で、俺にも全く興味がなさそうな彼女はとても話しやすかった。
女嫌いともいえる俺が、看護師としても人間としても信頼できる人だった。

しかし、彼女には決まった人がいるとか、ハイスペックな人だとか、色々噂がありそんな人がいるのに、奪う気など全くなかったし、それほどの情熱も俺にはなかった。
< 105 / 143 >

この作品をシェア

pagetop