望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
Side 春樹
やばい、かわいい。
不覚にも俺の胸の中で泣く柚葉さんをそう思ってしまった。
ただ、柚葉さんを励ましたかっただけなのに。そう思うのに、俺の口からはまたあのどうしようもない言葉が零れ落ちる。
「ねえ、柚葉さん俺にしようよ」
いつも通り断られる前提で言った俺。その言葉を聞いたら柚葉さんを離して今日は帰ろう。
そう思っていた。それなのに。
「いいよ」
掠れた小さな声だったがはっきりと聞こえたそのセリフに、俺は一瞬自分の耳を疑った。
そしてその言葉の意味を頭が理解する前に、俺の身体は勝手に柚葉さんを抱きしめ、強引にキスを仕掛けていた。
こんなに我慢できない男だったか?
そんな自問自答は柚葉さんの甘い声と、綺麗すぎる身体を見て消え去った。
初めてこんなに余裕のない自分が信じられない。しかし、それ以上に感じる幸福感。
ヤバイ。
それしか頭になくなった。