望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~

「だって、もうすぐ結婚間近という噂で完ぺきな櫻町さんが、相手もいなくて婚活してるなんて。院内は大騒ぎでしょうね」

その言葉にグッと私は口をかむ。この男、意外といい性格している。
そんな思いも込めて彼を睨みつければ、綺麗な瞳がこっちを見ていた。

「すぐに本当にするつもりだし大丈夫よ」
「へえ、千堂さんって方ですか?」
その問いには答えず、私は望月先生の視線から逃れるように、窓の外を見た。

千堂伊織さん。マッチングアプリなぜか私を指名してくれた人だ。
学生時代に自分の会社を立ち上げたやり手の35歳で、ようやく仕事が軌道に乗ったから結婚を考えているといっていた。
高い身長に、整った顔、ワイルドな印象の大人の男性だ。望月先生とは真逆のタイプだ。
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