望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~

そればかりが怖くて話せなかった俺は、臆病で卑怯なのはわかっている。
幸せになればなるほど、柚葉さんを失うことが怖くて仕方がない。

そんなことを思っていると、憎い男が目の前に現れた。

「春樹君、久しぶりだね。どうしたんだい?」
何も知らないのだろう、いつもの軽薄な笑顔を浮かべながら俺に歩み寄る。

「結婚式以来ですね。お義兄さん」
皮肉をたっぷり込めた俺の言葉の意味をこの人は解っているのだろうか?

そう、目の前の男、大林優弥は俺の妹の夫だ。すなわち柚葉さんを捨てて俺の妹を騙して、結婚をした最低な男。
その男を俺はこれでもかと冷たい視線で見つめた。
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