望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~


1年前

『お兄ちゃん、彼、浮気してると思うの』
『え? 大林先生が?』
妹の結婚が決まったと聞いて帰った実家で、妹の絢美は俺と二人になるや否やそう口にした。

大きなベージューのソファーに座り、思いつめたような表情をしている妹の絢美に視線を送る。

確かに妹と大林先生はお見合いだが、絢美は優しくて年上の大林先生と上手くやっていると思っていた。

『気のせいじゃないのか? 式だってもうすぐだろ』

3か月後に盛大な結婚式を控えているのに、そんな訳がないと俺は絢美を諭す。

俺の実家は全国に何ヵ所か構える総合病院だ。
父がその病院長で、妹の絢美は父に紹介された大林先生にすぐに夢中になった。

ルックスも良く医者という職業柄、大林先生だって過去になにもないとは言わないが、今そんな事をするだろうか?

半信半疑のまま絢美を見れば、窓の外の大きなプールと芝生に目を向けながら、小さく息を吐いた。
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