望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~


店内に入ればこの間はよく覚えていなかったが、笑顔のスタッフが迎えてくれる。
高級そうな絨毯が敷かれた店内は品の良い温かな明かりに照らされていて、窓からは夜景が見えた。

「いらっしゃいませ」
その言葉に続き奥まった窓際の席に案内される。
この間は、近くに人もいたことから緊張してしまったが、ここなら近くに人もおらず緊張しなさそうだ。
この場所に安堵して、窓の外のキラキラした夜景を見た。

「後で参ります。ごゆっくり」
その言葉でスタッフが姿を消すと、望月君はメニューを私の方へと向ける。

「柚葉さん何が好き? 魚と肉なら?」
「断然お肉!」
食い気味に言った私に、望月くんは笑いながらメニューを指さす。
「じゃあ、やっぱり牛ですよね。メインステーキにします?」
「あっ。でもお魚は鯛か……。迷うな」
美味しそうなものが並びすぎて、私は迷ってしまう。この間は千堂さんが決めたままだったから、少し苦手なラムだった。
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