望月先生は甘くない ~年下ドクターの策略~
「柚葉」
いつもの可愛らしい声ではなく、明らかに低く甘いその声に、驚いて動きがとまる。
「ごめんね、彼女と約束があって」
その言葉に女の子たちは、「やっぱり待ち合わせって言ったじゃない」と口々に言うと去っていった。
「待ち合わせなんてしてました?」
女避けに使われたと気づき、さっき動揺した自分に腹立たしさを感じつつ彼を見れば、可愛らしい笑顔を浮かべていた。
「待っていたのは本当ですから」
「え?」
その意味がわからず、私は問いかけた。
「僕に口止めしたいんですよね?」
今日の昼のことだとわかり、私はハッとして彼に視線を向けた。
表情はにこやかだか、まるで脅す様な言い方に、私はピクリと眉を上げた。