婚約破棄は構いませんが、後ろ盾をなくした皇太子がどうなるかご存知? ~を、ループする~【短編】
 国民の血、城を守る兵たちの血……多くの人の血が。
 私が最期を迎えたギロチン台の設置された街の広場の石畳は、真っ黒だった。
 流された人の血、それが乾いて真っ黒になっていた。
 ポロポロと涙が落ちる。
 婚約破棄一つで、あんなに多くの人が犠牲になるなんて間違ってる。
 何一つ悪いことをしていない子供も犠牲になるなんておかしい。
 ……おかしいんだよ……。
「やり直せるんだろうか……」
 革命は起きても構わない。
 だけれど、あんなに血が流れない革命にできないのだろうか。
 元の原因は何だろう。
 婚約破棄、婚約をそもそもしたこと?
 第一王子が皇太子になったこと?
 ミリアが学園に入学したこと?
 ミリアが庶民のまま皇太子妃になろうとしたこと?
 ああ、違う、違う、それだけじゃない。きっともっと大きな……。
 不作、そう、不作だ。
 3年も不作が続いてしまったことで、国民は疲弊していた。
 今、何年?私は今、何歳?
 鏡を見る。
 17歳の死んだときよりも幼い自分が映っている。
 けれど、幼女というほど幼くもない。
「やり直せるのだろうか……」
 夢だったのか、現実だったのか。
 やるしかない。
 真っ赤に染まるあの景色はもう二度と見たくない。
「ごめんね、僕の側にいなければ逃げられたかもしれないのに……」
 串刺しにされながら最後に私に謝っていた第二王子の顔が忘れられない。
「好きだったんだ、ずっと……だから、側にいたかった……」
 ぐっと目を瞑る。
 私の返事を待たずに、息を引き取った第二王子に、伝えたいことがある。
 だから、今度は……。
 もっと長く生きられるように。運命を変えてみせる。

<完>


最後までご覧いただきありがとうございます。
次からはおまけです。

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