婚約破棄は構いませんが、後ろ盾をなくした皇太子がどうなるかご存知? ~を、ループする~【短編】
■たとえば、一つの未来■

「アンドリュー殿下、私、ディオーヌ・エリーゼと婚約破棄していただきますわ」

 学園でアンドリュー殿下とミリアの噂が流れ始めたことで、歴史が繰り返されていることを確信した。
 そこで、あの歴史をそのまま繰り返さない為に、今日、私の方からアンドリュー殿下に婚約破棄を言い渡した。
「なぜ、どうしてだ、突然。そもそも公爵令嬢の身で俺にに婚約破棄するとはよく言えたもんだな?」
 どうしてか。それは、あの悪夢を繰り返さないため。
「私が知らないとでも?あなたは私のことを、これっぽっちも好きではありませんわよね?」
 アンドリュー殿下が居直った。
「はっ、そうだとも。なんだ、俺の愛が欲しかったのか?だったら、もっと素直に愛を乞えば、多少は好きになったかもしれないぞ?今からでも日ざまづいて、どうぞ私を好きにしてくださいとでも言って見たらどうだ?」
 殿下の言葉に首を横に振る。
「残念ですが、私は殿下のことを好きだと思ったことは一度もありません。……婚約破棄をお受けしたのはお父様の願いだったから。ですが、それも今日でおしまいです。お父様は説得いたしました。私が……好きな方と一緒になるのを認めていただいたので」
 そこまで言うと、殿下が激高した。
「なっ、好きな人だと?お前、俺という婚約者がいるというのに、浮気をしたというのか?とんだあばずれだな!」
 首を横に振る。
「私と言う婚約者がいるのに、ミリアさんと関係を持った殿下に言われたくはありません。そして、そのことで私をいたわってくれる方がいるということに気が付いたのです……。紹介いたしますわ。新しい婚約者を」
 振り返り、手をのばすと、第二王子が現れ、私の手を取った。

 これで、悲劇は回避できるんじゃないだろうか。

「なっ、どういうことだ!」
「残念ですが、殿下。ミリアさんと関係を持った証拠はございます。先に裏切ったのは殿下です……。皇太子の身分を捨ててでもミリアさんを選んだのですから」
「は?」
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