訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
ドラゴン(2)
ある日
酒場で若者達が和気あいあいと楽しんでいる

「今日は鹿を狩ってきたぜ!」

若者達の中で一番ガタイの良い男、ガント

「俺だって、この前2匹も捕まえたよ」

いつも冷静に物事を見る、レイヤ

「凄いなぁ皆。狩りが出来て」
「はぁ…、いい加減お前もさっさと成功しろよ。兵士も一緒に行ってるんだろ?
 何で出来ないんだよ?」
「僕が弓を準備してる間に動物達が逃げちゃうんだ。
 兵士達にも追い掛けなくていいって言ってるから」
「アルはいつも鈍臭いね」
「アハハハ…、そうだね」

僕はこのズメイ国の王族の、末にあたる王子だ
普段は王子として国民に振る舞ってるけど
こうやって、ただのアルとして接してくれる2人と楽しく過ごしてるのが
何よりの楽しみだ

そこに

「はいよ!」

頼んだ果実がテーブルにドンッと置かれた

「サンキュー!」

真っ先に食べるガント
< 101 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop