訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜

「…あ?」
「? どうしたの?」
「コレ、いつもよりも甘ぇ」
「へ〜、どれどれ」

僕とレイヤも食べる

「! 美味い!」
「美味しい!」
「スゲェッ!何でこんなに甘いんだ!?」

会話を聞いてた店主が近寄ってくる

「ソレはな、あの森で取ってきたんだよ」
「あの森?」
「ほら、奥には入るなって言われてる森さ
 偶に知り合いに頼んで少し入ったとこで取ってきてもらってんだよ」
「それってさ、ただの作り話だろ?」

周りの客も話し始める

「あんまり果実を取り過ぎない様にってなぁ
 なんでも奥には、見た事無い果実があるって噂だよ
 でも数が無ぇから、入るなって話だ」
「俺は神様が祀られて神聖な場所だから近寄るなって聞いたぜ?」

古くから言い伝えられてるらしいけど、確かな事を誰も知らない
王族の僕でも御伽噺としか教えられてないし…

「…なあ?」

ガントが呟く

「俺達で行ってみねぇか?」

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