訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
お父様の部屋の扉をバンッ!と開くと

〔あぁあああああああああああっ…!?!?〕
「「「!?」」」

お父様の精霊が、黒い霧に侵食されてる!?
そして、精霊界に還る筈の魂をも黒い霧が飲み込んだ
精霊が消え、奥に居るお父様が見える

「「「!?」」」

お父様が…、血を流して

「お父様ぁっ!!??」
「「父さんっ!!??」」
「お?漸く来たかぁ」

黒い霧の横に1人

「!」
「!? お前は…!?」
「アル…っ!?」

黒い霧を纏うアルはニヤァと笑顔で

「久し振りぃ?
 あの後さぁ?君をどうやって殺そうか考えたら
 コイツが良い案を出してくれてね?」

アルが黒い霧を指差す
霧が徐々に薄くなっていき、現れたのは

「!? 兄…さ…ま…?」

兄様が緩慢な動作で振り返ると、光の無い…真っ黒な目で私達を見る

「ああ、案を出したのはコイツじゃないよ?
 ただ体を借りただけだ、ここに来る為にね?」

アルが兄様の背中をトンッと押すと、人形の様にバタンッと倒れる
アルは兄様に手を翳すと、黒い霧を剣の形に変えていく

「国王は死んでるけど、コイツはまだ生きてるよ?
 まだ、ね?」
「!? 止めてっ!!」
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