訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
洞窟の手前まで行くと、地中から複数の気配が
でも、襲ってこない

〔主、どう致しますか?〕
「入ってみようか」

試しに中に入れば、ボコッ!と次々と外の地面から魔物が出てくる

「…なるほど」

住処に入った者の退路を塞ぎつつ、奥からもゾロゾロと現れる
正しく袋の鼠

「知性が無いに等しいけど、本能的にちゃんと学習はする訳だ」

ラルフが肩から降りてサイズを変える

〔ヴゥゥゥッ…〕

魔物は少し怯んでるけど、唸り声を上げながら次々と迫ってくる
伸びてくる数本の腕を掻い潜りながら《サイコキネシス》で切り落とす
ラルフも腕や首を嚙み千切る
後ろから風の斬撃を浴びせれば、叫ぶ間も無く首が落ちていく
すると、ザッザッザッ…と奥から駆けてくる足音が

「ラルフ」

ラルフがこっちに走ってくると同時に
壁に手を付け

《ソーン(棘)》

あらゆる所から土の棘が形成され、向かってくる魔物に深々と刺さっていく
洞窟内の魔物の気配が無くなり、外に出ると
気配がまだ地中に
…でも現れない

《エクサイメント(盛り上がり)》

地面がボコッボコッ!と盛り上がり、魔物を無理矢理出す
空中に投げ出された奴等の首を《サイコキネシス》ではね
ラルフも飛び掛かる
見渡す限りに魔物を倒し、気配を探る

〔ここ等の魔物は全て倒した様です〕
「みたいだね」

魔物を火で燃やし、棘だらけの洞窟や盛り上がったままの地面を元に戻す
ラルフに付いてる魔物の体液も綺麗に落とす

〔ありがとうございます〕

頰を舐める舌を擽ったいと思いながら、蓮と紫音とゼルファの状況を把握する

「他も片付いたみたいだから行こ」
〔はっ〕

蓮と紫音も、燃やしたり風化させたりして魔物を消していった
私が2人と合流する頃にはゼルファも合流した
後は傷付いた自然の修復だ
自然を治すには、ゼルファから貰った力を使うとより上手くいく
しかも、悪い魔物が寄り付かなくなるらしい


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