訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
蓮は溜息を吐き、口角を上げ

「栞と離れなくていんなら、いいさ」
「蓮…」
「話は纏まりましたね。では一度、王に会って頂きます」

皆がえっ!?と驚く

「ちょっと待って下さい、急過ぎます。そちらの世界に行くとなると、準備が…」

楼が珍しく少し慌てる

「ああ、では服装のみ正装をお願い致します」
「いや、服もそうですが…、ここを離れる訳には…」
「それもご心配無く。私の力で時間は進まぬ様に致しますので
 どれだけ居ても、この世界では一瞬です」
「…なら、問題無ぇか」
「では、王に会われる方のみ、服装を整えて再度集まって頂けますか?」

国王に会うのは、蓮と紫音は勿論、楼とお父さんとお母さん
この世界では一瞬らしいけど、念の為春に組を任せるらしい

「じゃあ、頼んだぞ。酒向」
「はい、お任せ下さい」
「では行きます」

また、足元が光り始める
その光が一層強くなり、皆が目を瞑った瞬間

「着きました」
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