誘惑の延長線上、君を囲う。
強引に腕を掴まれて、拒否をする間もなく脱衣場に連れて行かれる。否応なしに服を脱がされ、バスルームの中に入れられる。
ぶくぶくと泡立っている浴槽は広くて丸くて、テレビもついている。全身を洗った私はそっと湯船に足を入れてから、ゆっくりと腰を降ろした。最近では毎日の様に一緒にお風呂に入っているが、何回一緒に入っても慣れる事が出来ず、恥ずかしくて背を向けて入ってしまう。
「こっちにおいで」
グイッと腕を掴んで引き寄せられ、日下部君の膝の上に座った。心臓が激しく動いているけれど、ぶくぶくしている泡の音で分かりはしないだろう。
「きょ、今日は楽しかったね」
ドキドキしているので、こんな事しか言い出せない。帰り道にも散々、楽しかったと話をしてきたのに。
「アイツが琴葉を好きだったなんて知らなかったけどな。琴葉はモテモテだったもんなー」
「そんな事ないよ!モテモテだったら、30歳までおひとり様じゃなかったよ。日下部君の方がモテモテだったでしょ!」
「それはお互い様でしょ……」
日下部君以外の人に好きだと言われてもなびかない。申し訳ないと思うが、日下部君に好きだと言われてからは伊能さんの事を思い出しても揺らがなくなった。それ程、日下部君が好きなんだな、私は……。
ぶくぶくと泡立っている浴槽は広くて丸くて、テレビもついている。全身を洗った私はそっと湯船に足を入れてから、ゆっくりと腰を降ろした。最近では毎日の様に一緒にお風呂に入っているが、何回一緒に入っても慣れる事が出来ず、恥ずかしくて背を向けて入ってしまう。
「こっちにおいで」
グイッと腕を掴んで引き寄せられ、日下部君の膝の上に座った。心臓が激しく動いているけれど、ぶくぶくしている泡の音で分かりはしないだろう。
「きょ、今日は楽しかったね」
ドキドキしているので、こんな事しか言い出せない。帰り道にも散々、楽しかったと話をしてきたのに。
「アイツが琴葉を好きだったなんて知らなかったけどな。琴葉はモテモテだったもんなー」
「そんな事ないよ!モテモテだったら、30歳までおひとり様じゃなかったよ。日下部君の方がモテモテだったでしょ!」
「それはお互い様でしょ……」
日下部君以外の人に好きだと言われてもなびかない。申し訳ないと思うが、日下部君に好きだと言われてからは伊能さんの事を思い出しても揺らがなくなった。それ程、日下部君が好きなんだな、私は……。