誘惑の延長線上、君を囲う。
「琴葉は子供は何人欲しい?」

「……二人、は欲しいかな」

「同感。俺も二人は欲しいけど、籍入れてからにしような」

「うん、……って、ちょっと、あっ、まっ、……ってってば。言ってる事とやって、る事、違っ、……からっ!」

バッグハグした状態から胸に触れてきて、指で突起を弾くように弄る。

「今は純粋に琴葉を抱きたいだけ。もう躊躇も遠慮もなく抱けると思うと、頭の中から他の男の存在を消してやりたい」

日下部君はこんなにも独占欲が強かったのだと知る。

「抱き潰してやりたい」

切れ長の瞳が私を捉えて、目線が外せない。濡れた髪が艶っぽさの加担をして、色気が増している。囚われたら最後、逃れる事は出来ない。

「朝から、や、だ……」

私の懇願など日下部君の耳には届かない。会った事もない伊能さんに今だにヤキモチを妬いているのか、理解不能だが日下部君は私を快楽へと誘う。
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