誘惑の延長線上、君を囲う。
周りを見渡すと居酒屋に流れ込むサラリーマンや若者達が沢山居た。デパ地下で惣菜を買う前に日下部君が暑すぎるからビールで喉を潤したいと言ったので、一杯だけの約束でバーに立ち寄った。

「焼き鳥が売り切れなくて良かったー!あとエビとアボカドのサラダ、コレ大好き!」

「良かったな。……てゆーか、何故、急に日本酒を買ったんだ?」

バーに立ち寄ったら、デパ地下が閉店間近で危うく買いたい物が売り切れる寸前だった。惣菜の他に酒コーナーにも寄って、美味しそうなお酒も購入した。

「高橋さんがオススメしてくれた純米大吟醸、気になったから。二人で飲んでみよ?」

「高橋、日本酒も飲むのか……。日本酒は悪酔いするイメージがあるから嗜む程度にしか飲んだ事がないけど本当に大丈夫か?」

「とにかくフルーティーで美味しいんだって!試してみてダメなら勿体ないけど料理に使おうよ」

バイヤーの高橋さんはビール派だけれども、最近は日本酒にハマっているらしく、飲んでみて一番美味しい日本酒を教えてくれた。ちなみに夫の高橋さんはお酒はあまり飲まないらしい。

私も日本酒は嗜む程度にしか飲んだ事はないが、フルーティーで飲みやすいと聞き、飲んでみたくなった。

マンションに帰り、汗をかいたのでシャワーを浴びてから日下部君と一緒に日本酒を飲む。
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