誘惑の延長線上、君を囲う。
「部屋の中も涼しいし、日本酒も美味しいしサイコーだね」

「おい、一人で半分も開けてるからもう没収な。飲みすぎだ」

「だって本当に飲みやすいんだもん」

言われた通りのフルーティーさで飲みやすく、ついおかわりしてしまうのだ。日下部君はやはり、あまり好きではないらしくビールに戻る。

「……日下部君てさ、会社ではガミガミうるさいけど、家に帰るとさ……私に甘いよねぇ」

日本酒を飲んでいると頭がボンヤリとしてきて、ふわふわな感じ。酔いに任せて、隣に座る日下部君の頬をツンツンと人差し指でつついた。

「十二分に仕返ししてやるって、な、ぁ、に?」

言葉に合わせて執拗い位につついていたら、日下部君が思い出したと言わんばかりに、咄嗟に私を抱き抱えてベッドへ連れ込んだ。

「……酔いすぎだから、佐藤の酔い覚ましには丁度良いな。仕返ししてやるよ、十二分にな」

ギシリ。

私はベッドに寝かされる。ベッドの軋む音がする。

同居してからも時々、日下部君に抱かれる。私はいつ引っ越しをしても良いように布団しか所持して居なかった。その為、日下部君が勝手に自分が使用していたベッドをダブルベッドへと変えた。

私の部屋も与えられたが、実質、日下部君の部屋で寝ているのだ。
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