誘惑の延長線上、君を囲う。
「おはよう、琴葉」

「お、おはよう……」

昨晩から名前呼びなのは変わってないらしい。素面で聞いてしまうと、気持ちが高ぶってしまい落ち着かない。

「洗顔してくるね……!」

くるり、と後ろを向いて洗面所に向かう。名前呼びと同時に昨晩の行為も一緒に思い出してしまい、一人で泡を食ってしまう。自分の気持ちを沈めながら、真夏の生ぬるい感じの水でバシャバシャと顔を洗い、歯磨きをする。

そのまま自分の部屋へ行き、着替えとメイクを済ませてから日下部君の居るリビングへと向かった。

「……随分とぐっすり寝てたな。二日酔いは大丈夫?」

「うん、大丈夫みたい。喉がカラカラな以外は至って通常」

起きてから時計も見ずに過ごしていた。日下部君に指摘されたので時計を確かめると14時を過ぎていた。何時に寝たのか分からないけれど、ちょっと寝すぎじゃないの、私?

「ごめんね、出かけようって言ってたのに」

「いいよ、別に。出かけるのは明日でも良いし。それより、腹減った……」

「うん、何か作って食べよう」

私は簡単に出来るペペロンチーノとサラダを作り、日下部君と二人で食べる。日本酒を飲んだけれど、胃は焼けてなくて普段通りに食べられた。

その後は夕飯の買い出しに二人で行く事になり、歩いて出かけた。
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